2024.12.11

注文住宅がついに竣工! 知っておきたい、竣工検査で施主が行うべきチェックポイントは?

注文住宅が完成すると、引渡し前に竣工検査(施主検査)が行われます。しかし、一般のお施主様は慣れていない方も少なくないため、後から「失敗した…」と後悔される場合もあります。本記事では竣工検査で行うべきチェックリストについてまとめてご紹介します。
家の引き渡しが控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

注文住宅を建てるまでの流れに関する詳細は、下記記事をご覧ください。
⇒「家を建てる! と決めたらまず何をすべき? 注文住宅を建てるまでの流れを確認

竣工検査とは

竣工

竣工検査(施主検査)というのは新築注文住宅が完成した際、建築主(施主)に建物を引き渡す際の最終的な確認作業です。設計図や仕様書に基づいて契約通りに施工されているか、何か問題がないかなどの項目について細部に至るまでチェックします。

しかし、これは一般の方にとって慣れない作業であり、どこをどのように確認すべきか分からないことも多いため、後で自分の注意不足を後悔するケースも多々見られます。完成後に修正が発生すると手間がかかるため、竣工検査の段階でしっかりと確認することが大切です。

・竣工検査に来るのは誰?
竣工検査に立ち会うのは、主に建築主(施主)、施工会社、ハウスメーカー、仲介業者等です。施主検査の主役である建築主は、建物が要望通りにできているかを確認する重要な役割を担っています。

また、施工会社の担当者は、施工に関する説明や、必要に応じて修正の対応を行います。設計士が立ち会う場合は、設計意図と実際の建築が一致しているか、細部のデザインや機能を確認することも可能です。

・竣工検査にかける時間
建物の規模や検査の範囲によって異なりますが、竣工検査には2〜3時間程度かかるのが一般的です。確認すべきポイントが多い時やこだわりがある場合には、さらに長い時間がかかることもあります。特に外観やエクステリア、内壁や床の仕上げ具合、設備の配置などを入念に確認したい時は、事前に余裕のあるスケジュールを立てることが重要です。

また、当日の天候や交通事情などを考え、開始時刻をしっかりと確認し、遅れが生じないように心がけることも大切です。十分な時間を確保するとともに、各所を落ち着いて確認できるようにしておくと良いでしょう。

・竣工検査に立ち会う際の持ち物
竣工検査に必要な持ち物としては、契約書や設計図面、仕様書が挙げられます。これらは契約内容と現状の施工が一致しているか確認する際に欠かせないものです。加えてメモ帳やチェックリスト、筆記用具を持参して、気づいた点をその場で書き留めておくと便利です。記録写真を撮影するためのカメラやスマートフォンは必須です。

さらにメジャーやスケールも持って行くと、家具の配置や部屋の寸法が確認できるので、後のレイアウトや購入時に役立つでしょう。照明がまだ設置されていない場合には、懐中電灯を持って行くと暗い場所もスムーズに確認できます。

竣工検査のおすすめチェックリスト

ここでは、各項目の注意点やチェックすべき内容についてご紹介します。

外装・外構・バルコニー

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https://www.nichiha.co.jp/works/residential/792

外装は色のムラや傷がないか確認しましょう。玄関のアプローチや駐車場の舗装状態、植栽の配置等に関する施工状態もチェックします。

そして、バルコニーでは手すりの強度や雨水の排水がスムーズに行われるか確認することが重要です。雨水がたまらないように勾配が取られているかということも見ておくと良いでしょう。塗装の剥がれやヒビ、雨染みの有無も細かくチェックし、必要に応じて手直しを依頼します。

建具(ドア・窓)

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https://www.nichiha.co.jp/works/residential/683

ドアや窓はスムーズに開閉するか、閉めた際に隙間がないかを確認します。施錠がきちんとできるか、鍵が回りやすいか、窓がしっかりと密閉されているかは特に重要なポイントです。また、窓枠やサッシに傷や汚れがないか、ガラスにヒビが入っていないかもチェックしましょう。

ドアノブの位置や操作性も重要なので、不具合がある場合は指摘して修正を依頼します。網戸がついている場合には、網の破れや枠のゆがみも確認しておきましょう。

電気・ガス・水道設備
電気関係の設備については、すべてのスイッチとコンセントの位置や機能をチェックし、照明の明るさや配線の安全性も確認しましょう。ガスの設備はガス栓の位置やガス漏れ警報器が適切に設置されているか確認し、試運転して安全性を確かめましょう。

水道設備については水漏れがないか、蛇口の開閉がスムーズか、適切な水圧が確保されているかなどの項目を確認します。キッチンや洗面所の水はけに問題がないかということも重要なチェックポイントです。ただし、それぞれのライフラインは入居時まで使えないことも多いので、前もって契約会社に手配しておくとスムーズに確認できます。

LDK・個室

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リビングやダイニング、個室に関しては、壁や床に傷や汚れがないかをチェックし、部屋全体の明るさや通気性も確認します。収納スペースは棚板やドアがしっかりしているか、スムーズに開閉するかを見て、荷重に耐えられるかも確認すると安心です。

また、照明の配置や電源コンセントの位置が生活の動線に合っているか確認しておくと使い勝手が良くなります。クロスの接続部分や床材の継ぎ目も意外と見落としがちなポイントなので注意しましょう。内装の細かい修正箇所はマスキングテープやふせん等で印を付けておくと分かりやすくなります。

浴室・洗面所・トイレ・キッチン
浴室はシャワーや水栓金具が正常に動作するか、浴槽の排水がスムーズかを確認しましょう。洗面所は鏡や収納の位置が使いやすいか、蛇口の高さや鏡の位置が適切かを確認します。

そして、トイレは水がきちんと流れるか、便器周りに漏れがないか、消臭・換気機能が十分に機能するかを確認します。キッチンではシンクやコンロの使い勝手、収納の配置、水回りの清掃しやすさなども重要な確認ポイントになります。

竣工検査によくあるトラブル…最悪な事態を防ぐには

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ここでは竣工検査でよくあるトラブルと解決策をご紹介します。事前に注意ポイントを知っておき、準備しておきましょう。

検査時に工事が終わっていない
竣工検査の際に意外と多いのが、予定通りに工事が完了していないという状況です。内装の仕上げや設備の取り付けが終わっていない場合や、外構工事が未完成の状態で検査すると、十分にチェックできないばかりか入居後に不具合が発生する可能性もあります。

【解決策】引き渡しには応じず、延期してもらう
このような場合は引き渡しを急がず、すべての工事が完了するまで延期するべきです。工事が完了してから再び検査を実施して各所の確認が取れた後で正式に引き渡しを行うよう依頼しましょう。施工業者にスケジュール管理を徹底させ、工事の完了日を再確認しておくことが、後のトラブルを避けるためにも有効です。

見落としがあった
お施主様だけで竣工検査を行うと、どうしても専門的な部分や細かい部分を見落としてしまうことがあります。壁や床、設備の施工不良などを発見することができず、後で修繕を依頼すると余計な手間や追加費用が発生してしまいます。

【解決策】ホームインスペクションに依頼する
こうした見落としを防ぐ対策としては、ホームインスペクション(住宅診断)を利用し、専門家に検査を依頼するのも一つの手です。ホームインスペクターは建築の専門知識を持ったプロで、細かい不備や建物の不具合を見逃さずに指摘してくれます。竣工検査に同行してもらえば一般の方では気付きにくい箇所も確認でき、後悔したり追加修繕の費用が発生したりするのを減らせるのでおすすめです。

修繕箇所を失念
竣工検査で問題が見つかって修繕を依頼したとしても、内容を記録していないと修正すべき点を忘れてしまうことがあります。その結果、修繕が不十分なまま引き渡しが進んでしまうことも多いので注意が必要です。

【解決策】写真やメモに残しておく
これを防ぐためには検査の時に見つけた不備や修繕箇所を写真に撮ったり、メモに記録して残しておいたりすることが効果的です。具体的な箇所を写真付きで残しておくと業者にも伝わりやすく、後の確認がスムーズに進められます。

細かい部分は写真だけだと分かりにくいため、該当箇所にマスキングテープやふせんを直接貼っておくのも一つの手段です。このような記録は施工会社の担当者とも共有し、明確なリストとして残しておくことで、安心感を高める要素となってくれます。

まとめ

新築の住宅に入居する際には、竣工検査をしっかりと行っておくことが重要です。「よく分からないまま終わってしまった」と後悔しないように、予め準備しておきましょう。不具合を発見した場合は担当者に気兼ねなく相談してみるのがおすすめです。

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