2024.09.05
防火地域や準防火地域とは?防耐火性能を備えた外壁材の種類など 家を建てる際に知っておくべきこと
新しい住まいの建築を検討する時はコストが気になるものですが、その際に、法的に求められる防火性能が、家を建てる場所や規模によって、異なることをご存じでしょうか。そのため、材料費や工事費に差が出る場合もあります。
この記事で紹介するのは、建設コストや防火性能に影響を与える「防火・準防火地域」に関することです。防火・準防火地域というのは法律で指定された駅周辺などのエリアを指します。これらの地域に建設される建物は火災に強いことが求められますので高い防耐火性能を有する外壁や屋根が必要となり、そのために建設コストが高くなるのです。
これは本来、法律や建築の専門的な知識が求められる難しい内容ですが、できるだけ分かりやすく解説します。駅周辺などに住まいの建築を検討している方は、ぜひご覧になってみてください。
外壁材の種類については、下記の記事もご参照ください。
⇒「外壁材(サイディング)の種類にはどんなものがある? 機能も考慮したおしゃれな外壁材選び」
防火・準防火地域とは
住まいの外壁・屋根選びと深く関わる防火・準防火地域は、法律で「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」と定められています。
分かりやすく説明すると、火災の発生時に大きな被害が想定される建物や人が密集するエリアが指定される傾向にあります。
そのエリアに家を建てる場合、耐火性能のある建材を使った建築物にしなければならないといった建築制限がかかります。
一般的には駅の周辺や幹線道路沿いが「防火地域」に指定されやすく、その周囲のエリアが「準防火地域」に指定されることが多くなります。
実際の事例として、神奈川県川崎市(登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地区)の、防火地域及び準防火地域を表した地図を下記に掲載します。
「防火地域」はピンク色になっている箇所で、駅や線路、幹線道路沿いが指定されています。その周囲のオレンジ色のエリアが「準防火地域」です。
●防火地域・準防火地域の調べ方
家を建てる予定の場所が防火地域かどうかを調べるには、インターネットで「該当の市区町村名 防火地域」と入力して検索すれば、都市計画図を参照することができます。
施工会社や不動産会社に確認を取る、役所の都市計画課に行って調べる方法もあります。
防火地域と準防火地域の建築制限の違い
防火・準防火地域に住まいを建てる時は、火災に強い壁・屋根を使う必要があります。防火・準防火地域への法的な判断や対応は工務店などのプロが行ってくれますが、通常よりコスト高になる可能性があることは留意したほうが良いでしょう。
防火地域と準防火地域の建築制限の違いと、建物に求められる要件を下記に紹介します。
●防火地域の建築制限
・3階建て以上、もしくは延床面積100m²超以上の建物は、耐火建築物(※)にする必要があります。
・上記条件以外の建物も、耐火建築物もしくは準耐火建築物にする必要があります。
※耐火建築物とは:火災が鎮火するまでに建物の倒壊や延焼を防ぐため、建物の主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段など)が耐火性能を備えた建物のこと。
●準防火地域の建築制限
3階建て以上、もしくは延床面積500m²超の建物は、耐火建築物もしくは準耐火建築物にする必要があります。
●防火・準防火地域の建物に求められる要件
ここでは、防火地域・準防火地域で家を建てる際の、コストに影響する要件の具体例を紹介します。建築の法令にご興味のある方や事前に知っておきたいという方は、参考にしてみてください。
・隣家などに近い窓・ドアには、防火設備(防火戸・防火シャッターなど)が求められる
・屋根に不燃材料(金属・れんが・瓦など)が求められる
・屋根・壁などの材質に、火災時の倒壊・延焼を防止する耐火・準耐火性能が求められる
・木造の場合、隣家と近い外壁・軒裏などに防火措置が求められる
なお、防火・準防火地域で家づくりをすることになった場合は、ぜひニチハの製品もご検討ください。次項から詳しく紹介します。
ニチハの防耐火性能を備えた外壁材
ニチハでは、防火・準防火地域でも使える火災に強い外壁材を取り揃えています。これらの外壁材は、日本住宅性能基準で定められている耐火等級のうち、4等級及び3等級に対応し、不燃・準不燃材料として国土交通大臣の認定を取得しています。
防火・準防火地域の建物に採用できる外壁材は防火・準防火地域の指定や建物の構造によって異なります。外壁選びの際はお気軽にお問い合わせください。
ここからは、ニチハで人気の防耐火製品をご紹介します。
●モエンエクセラード16 プレミアムシリーズ グランスペック60 プレミアム
プレミアムシリーズは塗膜の変色・褪色30年保証に対応したニチハの人気商品。その中でも、グランスペック60は、耐火4等級であり、1時間準耐火構造対応品として 採用できる商品です。
写真の商品は陰影を豊かに表現し、深みのある外観に仕上げる「エクラルネ プレミアム」です。他にも変則的なグリッドパターンが端正な表情をリズミカルに演出する「ステップモザイク プレミアム」や、素朴でアンティークな風合いが住まいの温もりと安らぎを引き立てる「コートリーウッド プレミアム」などの商品があります。
●モエンエクセラード16 Fu-ge60
Fu-ge(フュージェ)シリーズはシーリングのメンテナンス負荷を軽減し、「メンテナンスコストの大幅削減」と「仕上がりの美しさ」を実現した新世代の外壁材です。Fu-ge60は1時間準耐火構造の認定を取得しております。
このシリーズにはファブリックのような質感と繊細で豊かな色彩が特徴の「ラトワール」や、大理石の割石をモチーフにした「ミラベルストーン調」、長い年月を経て変化した木材の風合いが感じられる「カルナウッドGS」などがあります。
駅周辺の防火・準防火地域で住まいの建設を考えている方は、建設コストに留意しながら外壁や屋根を選定しましょう
駅の周辺などで防火・準防火地域に指定されているエリアに住まいを建設する場合は、火災に強い構造が求められるので建設コストも高くなる傾向があります。設計や施工における法的な対応は工務店などのプロが行ってくれるので心配ありませんが、建設費を早めに把握しておきたい方は法的な措置も含めたコスト感を相談しておきましょう。