2024.09.05

【連載】家の外観をオーセンティックに 年が経つほどに味わいを増す外観とは|カベのアイデア事典 第2回

家の外観は、訪れる人が最初に目にする大事な部分です。特に建物の正面に位置するファサードは、家の印象を左右するため、デザイン選びが重要です。
「カベのアイデア事典」では、家の外観をおしゃれに魅せるアイデアを、様々なスタイルとともに紹介していきます。

第2回は「オーセンティックスタイル」です。上質で重厚感あふれるオーセンティックスタイルの住まい。伝統美とモダニズムが融合した格調高いデザインは、幅広い世代に人気があります。今回は、住むほどに味わいが増していく、オーセンティックな家の外観をつくるコツや施工事例をご紹介します。

カベのアイデア事典第1回「ヨーロピアンスタイル」もぜひご確認ください。
⇒「【連載】家の外観・ファサードをおしゃれなヨーロピアンスタイルに!|カベのアイデア事典 第1回

建物の顔ともいえるファサードについての詳細は、下記記事もご参照ください。
⇒「ファサードとは?おしゃれな第一印象を演出する壁のデザイン

オーセンティックスタイルとは? その特徴

オーセンティック(Authentic)という言葉には、「本物の・正統派の・トラディショナルな」という意味があります。伝統的なエッセンスを持ちながら、重厚感と洗練された雰囲気を兼ね備えているのが、オーセンティックスタイルの大きな魅力です。選び抜かれた質の高い素材を使用し、配色にこだわることで家全体に上質感をもたらし、時が経つほどに深みが増していく外観を生み出しています。

オーセンティックスタイルの外観・ファサードをつくるポイント

オーセンティック

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/327

オーセンティックスタイルの外観・ファサードをつくるには、上質感のある素材選びと重厚感のある色づかいが決め手となります。また、奥行感をつくる演出など、大事なポイントを押さえておきましょう。

・配色
華やかな色で目を惹くのではなく、落ち着いたトーンや、品のある穏やかな低彩度カラーでコーディネートすると、美しいオーセンティックスタイルがつくれます。天然石をイメージした深みのあるグレーやベージュ、シックでモダンなブラックやダークブラウンを基調に、色数を抑えて組み合わせるのがポイントです。こうすることで統一感が生まれ、高級感あふれる外観に仕上がります。

・外壁材
天然石のナチュラルな風合いや、レンガ・タイルのような立体的に積み上げられたリアルな素材感・重厚感、さらに高級感を兼ね備えた素材は、オーセンティックな外観づくりに欠かせません。高品質な素材は耐久性にも優れているものが多く、長い年月を経ても美しい外観と風格を保てるのが大きなメリットです。建物の面によって異なる素材で張り分けたり、色の濃淡や柄で対比をつけたりすると、建物の凹凸がより際立ち、奥行きのある豊かな外観をつくれます。

・屋根

オーセンティック

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/50

オーセンティックスタイルを完成させるには、屋根のデザインも重要です。シンプルでシルエットが美しい切妻屋根(2つの斜面を向かい合わせにした屋根)は、視覚的な安定感とモダンな印象をもたらします。また、四方向に傾斜する面で構成される寄棟屋根は、どっしりと落ち着きのある外観に。伝統的な形状の屋根を採用することで、重厚感のある美しい外観を演出できます。

・直線的なデザイン

オーセンティック

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/654

オーセンティックスタイルの家では直線的なデザインを多用できるのも特徴の一つです。装飾を施すなどして外観を飾り立てるのではなく、シンプルにフォルムの美しさを際立たせるのがデザインのポイント。水平ラインを強調すると、どっしりとした安定感や重厚感が演出でき、優美で堂々とした外観がつくれます。

また、軒の出を深くすると、長く伸びる水平ラインが強調されて広がりや奥行きが生まれ、意匠性も高まります。深い軒のある住まいは建物全体が風格を感じさせるだけでなく、夏の日差しや雨風・紫外線から家を守れるメリットも持っています。軒下をデッキやテラスなどにすれば、屋外でくつろいだり趣味を楽しんだりと、暮らしの楽しみも広がるでしょう。

・植栽やシンボルツリー

オーセンティック

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/150

植栽やシンボルツリーなど、外構に自然の温かみを加えると景観が美しく彩られ、オーセンティックスタイルの外観が持つ魅力をさらに高めることができます。四季の違いによって変化する植物を愛でたり、家族の成長とともに育っていくシンボルツリーを眺めたりする暮らしは、毎日の生活を潤いのあるものにしてくれます。そんな日々を過ごすことで住まいへの愛着も一層深まるでしょう。さらには植栽の配置にもこだわることよって、住まいの外観が印象的になるだけでなく、外から注がれる視線をゆるやかに遮ったり、夏場の強い日差しを和らげたりといった効果が得られます。

オーセンティックスタイルの住宅の施工事例

美しいオーセンティックスタイルの外観を3つの事例で紹介します。

1.外壁を巧みに張り分けてオリジナリティの高い外観に

オーセンティック

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/707

3色の石柄を効果的に張り替え、見る角度で異なる表情が現れるようにデザイン。黒を基調にグレーの石目調タイルを組み合わせ、さらに深みのあるボルドをアクセントに差し込むことで、高級感がありながらオリジナリティの高い外観に仕上げています。

2.深い軒が生み出す重厚感が美しい外観

オーセンティック

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/708

深い軒がつくるシャープな水平ラインが美しい邸宅。使用してある石柄は2種類のグレーを張り分けて、表情豊かな奥行きのある外観を演出しています。軒天にはダークカラーを取り入れ、陰影を強調することで全体を引き締めています。バルコニーにはガラスパネルを採用してモダンで軽やかな雰囲気に。室内から眺めやすい場所に植栽スペースを設けているため、暮らしの中で外観が少しずつ彩られていく様子を楽しめます。のびやかな開放感が外観からも感じとれる、心地良さがあふれた住まいになりました。

3. 四方に広がる寄棟屋根で落ち着きのある外観に

オーセンティック

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/655

軒を深く突き出した寄棟屋根が印象的な邸宅。どっしりと構えた重厚感のある外観には、流行に左右されない普遍的な美しさが漂います。外壁には木や炭を思わせる独特な風合いを持ったアウラストーン調のサイディングを採用。建物の凹凸に合わせて2色を張り分けることで奥行き感を一層深め、和風の庭や木目のバルコニー、ウッドデッキが温かみを添えています。

まとめ

カベのアイデア事典 第2回目は「オーセンティックスタイル」をご紹介しました。長く住み続けることになるマイホームだからこそ、外観にもこだわりたいものです。おしゃれな家づくりに興味がある方はぜひ参考にしていただければ幸いです。

カベのアイデア事典第3回「ブルックリンスタイル」もぜひご確認ください。
⇒「【連載】家の外観をブルックリンスタイルに! レンガやアイアンでヴィンテージ感を演出 |カベのアイデア事典 第3回

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