2024.07.05
土地探しのコツを知りたい! 理想の注文住宅を目指すための探し方と注意点
注文住宅では、土地や建物を自由に決められるのが魅力です。しかし「土地の探し方がわからない」「土地探しに疲れた…」という方も多いのではないでしょうか? そこで本記事では、注文住宅での土地探しのポイントについて詳しくご紹介します。
注文住宅を建てるまでの流れについての詳細は下記の記事をご覧ください。
⇒「家を建てる! と決めたらまず何をすべき? 注文住宅を建てるまでの流れを確認」
注文住宅の土地探しの流れ
ここではまず、注文住宅の土地探しの流れについて整理しておきます。大まかな流れやポイントを知っておくことで、適切な土地選びに生かしてみてください。
①エリアを決める
エリア選びは生活の質や将来的な資産価値に大きく影響するため、慎重に行いましょう。具体的には通勤・通学のアクセス、治安、自然環境といった観点でチェックする必要があります。
最近ではインターネットで多くの情報収集ができますが、実際にエリアを訪れて、街の雰囲気や環境を確かめるのも重要です。昼間だけでなく夜の時間帯にも訪れてみると、騒音や治安の良さがわかりやすくなります。
②資金計画を立てる
資金計画をしっかりと立てることで、予算内で理想的な土地と住宅が手に入りやすくなります。資金不足や返済不能に陥るリスクを回避することで、その後の生活もスムーズに進みます。
具体的には、自己資金と借入金(住宅ローン)のバランスを考え、資金調達の計画を立てるのが重要です。事前にローンの事前審査を受けることで、実際に借り入れ可能な金額を把握できます。
家づくりの際に必要となる資金計画書に関しては下記記事もご参照ください。
⇒「資金計画書とは? 家を建てるための資金計画と住宅ローンの検討」
③希望条件を整理する
希望条件を明確にすることで、効果的に土地探しを進められます。ただし土地の中には「建築条件付き」「建築条件なし」といった制約が設けられているケースがあります。
まず「建築条件付き」の土地は、購入後一定期間内に特定の建築会社と契約して家を建てることを条件とした土地のことです。一方で「建築条件なし」は、建築会社や家の建設時期を自由に決められるという違いがあります。
そのため希望のハウスメーカーがある場合や、建築のタイミングやペースを自由に決めたい場合には「建築条件なし」を選ぶ必要があるため注意しましょう。それぞれのメリットとデメリットを考慮し、ライフスタイルに合った選択をすることが重要です。
④土地を購入する
希望の土地が決まったら、いよいよ土地の購入手続きとなります。売買契約書の内容をしっかりと確認し、疑問点があれば解消しておきます。不動産会社や司法書士に相談し、必要に応じて法的手続きのサポートを受けましょう。
住宅ローンを利用する場合には、事前審査・本審査に通る必要があります。また購入後は土地の引き渡し・所有権移転登記といった手続きも必要になるため、手間や時間が掛かりますが一つひとつクリアしていきましょう。
注文住宅の土地探しの手段
ここでは、注文住宅の土地探しに使われる主な手段をご紹介します。それぞれメリット・デメリットがあるため、利用しやすい手段を用いてみてください。
・インターネットで検索する
注文住宅の土地探しにおいて、インターネットを活用することは非常に効果的です。不動産情報サイトや土地販売サイトには多くの土地情報が掲載されており、選択肢が広がります。直接現地に行けない場合でも、24時間いつでもどこからでも全国の土地情報を簡単に検索・比較できます。
ただし掲載されている情報が最新であるとは限らないため、古い情報や誤った情報に注意が必要です。情報の信頼性を確認するために、不動産会社の評判や口コミも調べる必要があります。
・不動産会社に相談する
不動産会社は土地に関する専門知識と豊富な経験を持っているため、土地探しや購入に関する的確なアドバイスが受けられます。法的な手続きや土地に関する規制、注意すべきポイントなどを詳しく教えてくれるのがメリットです。
ただし不動産会社を利用する際には、仲介手数料が発生します。費用について事前に確認し、予算に組み込む必要があります。信頼性の確認や契約内容の詳細な確認を怠らず、自分でも情報を収集する姿勢が大切です。
・ハウスメーカーに相談する
ハウスメーカーを利用すれば、土地探しから設計、建築まで一貫したサポートを受けられます。初めての家づくりでも、安心して進められる点がメリットです。また土地の形状や条件に合わせた最適な設計を提案してくれるため、土地の有効活用が可能です。
ただしハウスメーカーが提携している土地に限定される場合があるため、希望するエリアや条件に合った土地が見つからないこともあります。自由設計を希望している場合には、注意しましょう。
・銀行に相談する
銀行を利用する方法は少数派ですが、相談に乗ってもらえる場合もあります。担保物件の売出情報を提供してもらうことで、希望に合った土地を取得できるケースもあるでしょう。
土地購入で銀行のローンを利用する場合、予算や資金計画に応じた条件で、土地を購入するための融資を受けられます。ローンの金利や返済条件などを比較検討し、適切な条件を選べるのがメリットです。
・現地を歩いて探す
現地を歩くことで、実際の土地の雰囲気や周辺環境を直接体感できます。風景や道路の広さ、周辺の建物や自然環境など、写真や地図では分からない情報が得られるためおすすめです。
ただし広い地域を歩いて探す場合、時間と体力を消費することがあります。特に大都市や広範な地域では、効率的な探し方が求められます。
注文住宅の土地探しの留意点
ここでは、注文住宅の土地探しの留意点についてご紹介します。
・用途地域
用途地域とは、土地利用の規制を目的として定められた地域区分のことを指します。用途地域ごとに、建てられる建築物の種類や用途、建築の制限などが異なります。これにより無秩序な都市開発を防ぎ、計画的な土地利用を実現する目的があるのです。
用途地域は大きく分けて13種類あり、それぞれに建築可能な建物の用途や規模に関する規制があります。これは、住居だけでなく、スーパーや飲食店にも当てはまります。生活の利便性を確保するためにも土地探しや建築計画を進める際には用途地域をしっかりと確認し、制限や特徴を理解することが不可欠です。
・建ぺい率、容積率、建築物の高さ制限
注文住宅の土地探しや建築計画を進める際に、重要な規制として建ぺい率、容積率、建築物の高さ制限があります。
まず「建ぺい率」は、敷地面積に対する建築面積の割合を示す指標です。日照・通風の確保や、防火・防災の観点からの安全性確保の目的で定められています。建ぺい率は、30〜80%の幅で定められていて、用途地域の区分により決められています。
次に「容積率」は、敷地面積に対する延べ床面積の割合を示す指標です。容積率も用途地域の区分によって定められていて、建物の規模を制限することで、住環境を良好に保っています。
最後に「建築物の高さ制限」は建築物の高さに関する規制で、用途地域や周辺の環境によって定められます。高さ制限は、住環境の保護や景観の維持を目的としています。
・角地・中間画地・旗竿地
「角地・中間画地・旗竿地」は土地の形状や位置を示し、それぞれ異なる特性を持っています。
まず「角地」とは、道路に面している辺が2つ以上ある土地のことを指します。通常、交差点やT字路にある場合が多いです。日当たりやアクセスが良く、建築プランの自由度も高くなります。ただし交通量の多い道路に接している場合には、騒音やプライバシーの問題が生じることがあります。
次に「中間画地」は、両側を隣地に囲まれ、前面のみが道路に接している土地のことを指します。通常、住宅地では最も一般的な土地形状です。両側を隣地に囲まれているため、プライバシーが保たれやすいのが特徴です。ただし日当たりや通風が制限されるため、角地に比べると価格が安くなります。
最後に「旗竿地」とは、細長い通路のような部分(旗竿部分)を通じて道路に接し、奥まったところに宅地(旗部分)がある土地のことを指します。通行人の視線を気にせずに生活できる、プライバシーの高い環境となります。ただし通路部分が狭い場合、車の出入りが困難になる点がデメリットです。
・災害リスクを考慮する(各自治体のハザードマップを確認)
日本は地震や台風、洪水、土砂災害などの自然災害が頻繁に発生するため、土地の安全性を確保することは重要です。そのため、各自治体が提供するハザードマップを確認する必要があります。
ハザードマップには、過去の浸水実績や想定される最大浸水深などが示されています。川や海の近くに位置する土地の場合、洪水・津波のリスクを確認しておきましょう。
・子どもがいる場合は通学路・距離などの確認
子どもが毎日通学する際に、交通量の多い道路や危険な交差点がないか、歩道が整備されているかなどを事前に確認することで、安全性を確保できます。
インターネットやSNSで、学区の評判や地域の治安情報を調査することもおすすめします。
・駅、病院、スーパーなど日常生活に必要なインフラの確認
駅やスーパー、病院などが近くにあることで日常生活が便利になり、快適な生活を送れます。特に、通勤・通学、買い物、医療機関へのアクセスがスムーズに行えることは重要です。インフラが整備されている地域は人気が高く、土地や住宅の資産価値が保たれやすいです。将来的に売却や賃貸を考える場合にも、有利に働くことが多くなります。
・安さだけにこだわらない
土地の価格が安いという理由だけで選んでしまうと、後々さまざまな問題が発生する可能性があります。価格が安い土地は、土地の形状や周辺環境があまり良くない場合があります。治安が悪かったり騒音の問題があったりする地域は、生活の質に影響を与えます。
また過疎地域では、将来的に土地や住宅の価値が下がるリスクがある地域もあります。資産価値が低い土地を選ぶと、将来的な売却や賃貸の際に不利になるため注意しましょう。
・デメリットを住宅設計で補える場合も
希望の土地が見つからなかった場合、住宅設計の工夫で補えることもあります。例えば狭い土地の場合、庭を小さくする、駐車場を縦列駐車にするなどの工夫で対応可能です。
またあえてドアや間仕切り、廊下を無くすなどちょっとした工夫で、コンパクトな面積でも広々とした印象になります。大きな窓や吹き抜けを設けることで、自然光を多く採り入れられて室内を明るくできます。建築のプロに相談すれば、土地の形状や面積に合ったアイデアを出してもらえるためおすすめです。
注文住宅の土地探しでよくある疑問
ここでは、注文住宅の土地探しでよくある疑問についてご紹介します。
・土地探しに疲れたらどうする?
土地探しは時間と労力を要するため、疲れることもあります。「疲れた」と感じたら、無理をせず一度立ち止まることが大切です。疲れた原因を分析し、土地探しの計画を見直しましょう。探す範囲を広げる、条件を再評価するなどの方法で、効率を上げられます。
また、自分だけで土地探しを続けるのは疲れるものです。信頼できる不動産会社や専門家に相談し、アドバイスを受けるのもおすすめです。場合によっては、中古住宅の購入や賃貸住宅など他の選択肢を検討することも考えましょう。
・実際に現地に行く必要はある?
インターネットでの情報収集も有効ですが、現地に行って初めてわかることがたくさんあります。騒音や風の通り方など、現地でしか感じられない要素を確認しましょう。また土地の形状や高低差、日当たり、地盤の状態などを実際に見て確認することで、建築プランに反映しやすくなります。焦らず柔軟に対応することで、最終的には理想の住まいが実現できる土地を見つけられるでしょう。
まとめ
土地探しには正解が無いともいえるため、時には疲れてしまう場合もあります。しかし希望条件などを丁寧に整理することで、理想的な土地が見つかりやすくなります。本記事でご紹介したポイントを参考に、納得のいく住まいづくりに生かしてみてください。