2024.07.05
住宅ローンとは? その仕組みや種類、控除のポイントなどを知りたい!
住宅ローンの返済は長期に渡ることが多く、その後の人生にも大きな影響を与えるため、仕組みなどを十分理解しておくことが大切です。
この記事ではこれから住宅ローンを検討する方に向けて、住宅ローンの仕組みや種類・おすすめの金利タイプについて分かりやすく解説します。
また、住宅ローン控除で押さえておきたいポイントも併せて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
家づくりの際に必要となる資金計画書に関しては下記記事もご参照ください。
⇒「資金計画書とは? 家を建てるための資金計画と住宅ローンの検討」
注文住宅を建てるまでの流れについての詳細は下記の記事をご覧ください。
⇒「家を建てる! と決めたらまず何をすべき? 注文住宅を建てるまでの流れを確認」
住宅ローンの仕組みと種類
住宅ローンはマイホームを購入するためのローン(金融商品)です。
金融機関によって条件は異なりますが、新築住宅の購入や増改築・中古住宅を購入するためといった「マイホームのための住宅資金」のみで利用できる融資です。
・住宅ローンの仕組み
住宅ローンは金融機関から住宅購入・増改築の資金を融資してもらう制度です。
流れとしては資金を借りた人が融資されたお金で、ハウスメーカーなどに住宅購入の費用を支払い、金融機関に対しては融資分を毎月返済していくというものです。
返済の際には借りた金額分(元本)額に利息が加算されます。
また、住宅ローンを利用すると金融機関が購入する住宅に担保として抵当権を設定するのが一般的です。
これにより、金融機関は住宅ローンの返済が滞った場合、住宅を強制的に売却することで返済分を回収します。
さらに、契約者の死亡や高度障害などが原因で、住宅ローンが払えなくなる事態に備えて、団体信用生命保険(団信)への加入が必須のケースも多いでしょう。
ただし、住宅ローンは誰でも希望額が借入れられるわけではありません。
年齢などの申し込み条件があり、申し込みができたとしても、年収などの審査をクリアしてようやく金融機関が認めた範囲の金額を借入れることができます。
・住宅ローンの種類
住宅ローンの返済額には利息が上乗せされますが、その利息を計算する際に利用されるのが「金利」です。
金利には、次の3つがあります。
●変動金利:定期的な見直しによって変動する金利
●全期間固定金利:借入期間中に固定されている金利
●固定期間選択型金利:一定の期間、固定される金利
変動金利は、一般的に半年ごとの見直しがあります。
他の金利に比べて安価というメリットがありますが、金利上昇のリスクに備える必要があります。
一方、変動しないのが全期間固定金利です。
代表的な商品には住宅金融支援機構が提供するフラット35があります。
全期間固定金利は借入が決まると最終返済まで固定されるので、変動リスクがないという安心感がありますが、他のタイプより高く設定されています。
固定期間選択型金利は5年や10年といった一定期間が固定となり、固定期間終了後は変動金利か固定金利化を選べるようになっているのが一般的です。
住宅ローン金利の動向と今後
住宅ローンの金利は教育ローンなどの借入に比べて低く設定されています。
1995年以降は全タイプの金利が2%前後の低い水準で推移しており、2024年時点でも他のローンに比べて低水準を維持しています。
しかし、住宅ローンの金利は市場などに影響を受けます。
近年は世界各国で利上げが進められており、日本でも2022年に日銀が発表して以降利上げが進んでいます。
2024年6月の時点では、日本国内の変動金利住宅ローンに大きな影響は見られませんが、全期間固定金利はわずかながら上昇傾向を見せており、今後の動向に注意が必要です。
おすすめの金利タイプ
長期に渡る返済である住宅ローンは、返済額が金利に大きく左右されるので、金利のタイプは慎重に選ぶことが重要です。
最も金利の低い変動金利なら返済額を抑えやすいですが、将来的に金利が上昇すると返済額が大きく増える恐れもあります。
金利が上昇したら固定金利に切り替えればいいと考える方もいるでしょうが、一般的に固定金利が上昇すると変動金利も上昇します。
そのため、変動金利が上がった頃には固定金利も高くなっていることが想定される点には注意しましょう。
・変動金利を選ぶなら繰り上げ返済をセットで考える
変動金利が上昇した段階では固定金利もすでに高くなっていることを想定し、そのうえで変動金利を選ぶのであれば、繰り上げ返済を視野に入れておくのがおすすめです。
金利が上がった際に繰り上げ返済すると、金利上昇の負担も軽減されるでしょう。
なお、一般的に固定期間選択型金利は、固定期間終了後に固定金利か変動金利を選ぶため、実質変動金利の一種と言えます。
固定期間終了時点の金利予測が難しいため、こちらも金利上昇のリスクに備えておくことが重要です。
・安定的な返済をしたいならフラット35がおすすめ
金利の上昇リスクを避けて安定的な返済をしたい方にはフラット35(全期間固定金利)がおすすめです。
フラット35は借入れ時点で決まった金利が最終返済時まで変わりません。
金利の上昇リスクを避けられるだけでなく、最終返済までの額も明確になっているので、返済計画を立てやすいというメリットもあります。
住宅ローン控除のポイント
住宅ローン控除は住宅ローンを利用してマイホームを購入した際、ローンの残高に応じて一定額を所得税・住民税から控除できる税制優遇措置です。
借入する年月や家の性能によっても控除割合・期間は異なりますが、2024年入居の省エネ基準適合住宅では、借入額3000万円を限度として年末時点の住宅ローン残高×0.7%を13年間控除できます。
住宅ローン控除は所得税から直接控除できる所得税控除のため、節税効果が大きいという特徴があります。
しかし、控除の適用限度額は住宅の性能によって大きく異なるので注意が必要です。
また、住宅ローンの借入期間が10年以上という条件にも気を付けましょう。
繰り上げ返済して残期間が10年を下回ってしまうと控除が適用できなくなるので、繰り上げ返済時には住宅ローンの控除も考慮して返済額を検討することが大切です。
住宅ローンの控除を検討する際は、自身の年収・所得税額などを把握したうえで、どれくらいの控除が適用されるのか、あらかじめ計算しておくようにしましょう。
終わりに
住宅ローンを利用すると元本+利息を長期間返済することになるため、金利のタイプについては慎重に判断する必要があります。
10年・20年先の金利を予測することは難しいため、金利のタイプは将来のリスクに備えて自分に合ったものを選ぶことが大切です。
今回紹介した住宅ローンの仕組みを参考にして、あなたにピッタリな住宅ローンを選んでください。