2024.06.03
おしゃれな狭小住宅の間取りアイデア 2階建てと3階建てそれぞれのメリット・デメリット
狭小住宅はコンパクトな建築面積が人気ですが、「間取り計画はどうすればいいの?」というお悩みの声も少なくありません。そこで、本記事では狭小住宅における間取りのアイデアや、2階建て・3階建ての比較をまとめてご紹介します。これから家の新築を計画される方は、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅を建てるまでの流れについての詳細は下記の記事をご覧ください。
⇒「家を建てる! と決めたらまず何をすべき? 注文住宅を建てるまでの流れを確認」
狭小住宅とは
狭小住宅(読み方:きょうしょうじゅうたく)とは、限られたスペースや面積の中で建てられた住宅を指します。面積に関する明確な定義はありませんが、その多くは一般的に敷地面積が約50m²(15坪)以下となっています。
特に都市部では土地の価格が高騰しているため、狭い面積に住宅を建てるケースが増えています。こうした狭小住宅では、スペースの効率的な利用や、デザインの工夫が求められます。
・狭小住宅のメリット
「狭小住宅は狭くて暮らしにくいのでは?」と思われがちですが、意外に多くのメリットがあります。まず、土地の購入費を低く抑えられるという点が挙げられます。土地の面積が小さくなると、固定資産税や都市計画税の減税措置が受けられる場合があり、土地の購入や所有にかかる費用が削減できるため、余った資金を他の用途に使えます。
また、狭小住宅は小規模なので、維持管理費も低く抑えられる可能性があり、都市部にも作りやすいことから生活の利便性がある点もメリットです。他にも、動線が短い、フロアごとの掃除や整理整頓が簡単、省エネルギー化に取り組みやすいなど、狭小住宅ならではのメリットがたくさんあります。
・狭小住宅の注意点
狭小住宅を建てる際は、まず「土地の制限」について確認しましょう。地域によっては、用途地域(利用目的で分かれた13種類の地域)や地区計画等で建築物の形状や高さ、用途に制限が設けられています。例えば商業地域や工業地域では住宅の建築が制限されており、希望通りの間取りが叶わないことも多いです。
次に「建ぺい率と容積率の上限」についてもよく確認しましょう。住宅を建てる際には、用途地域別で敷地面積に対する建物の面積や容積の割合が定められています。建ぺい率や容積率を超える建物は、建築許可が下りないだけでなく住宅ローンの審査が通らないケースもあるため、設計の段階から注意しましょう。
狭小住宅は2階建て・3階建てどちらがおすすめ?
ここでは2階建てと3階建ての狭小住宅について、それぞれのメリット・デメリットをご紹介していきます。注文住宅は基本的に建物の規模を自由に決めることができます。しかし、建物の高さ制限(北側斜線制限、道路斜線制限)、建ぺい率・容積率によって制約があるので注意が必要です。条件を確認した上でライフスタイルに合った階数を選びましょう。
●2階建て狭小住宅
・メリット
2階建ての狭小住宅には、3階建てより建築コストを抑えられるメリットがあります。また、工期も短く済むため、材料費だけでなく、労務費等も節約できます。建物としては全体的にコンパクトなので、家族とコミュニケーションしやすいという点も人気です。
・デメリット
2階建ては床面積が少ないので、収納スペースなどが確保しづらく、家族の人数が多いと不便です。場合によっては個室の確保が難しくなってしまうので、間取りにも工夫が求められます。
・2階建て狭小住宅の間取りがおすすめのケース
2階建て住宅は、階段の昇り降りが1階と2階の行き来のみで済むため、3階建てに比べて身体的な負担が減ります。1階に寝室やトイレを配置しておけば、高齢になった時も快適に生活できます。
●3階建て狭小住宅
・メリット
3階建ては床面積をより多く確保できるのがメリットです。土地が狭くても3階建てであれば、リビング、寝室、書斎などを効率的に配置できます。また、3階部分にリビングを配置すれば、良好な眺望を楽しめる可能性もあります。車を所有している場合、1階部分をビルトインガレージにする間取りも人気です。
・デメリット
3階建てのデメリットは建物が大きくなる分、建築費用が高くなることです。また、耐震性をしっかりと確保するための設計が必要になることも考慮しなければなりません。
さらには上下階の移動が多くなるため、荷物を持ち運びするのが大変で、年齢を重ねると階段での移動が負担となります。必要に応じてホームエレベーターの設置も検討しましょう。
・3階建て狭小住宅の間取りがおすすめのケース
3階建ては床面積が広くなるため、ゆったりした間取りにしたい場合はおすすめです。都市部の住宅は隣家や道路との距離が近いことも多いですが、3階建てにすれば周囲の視線を気にせずに過ごせるでしょう。
また、吹き抜けの空間を作りたい場合も、3階建てならば余裕を持った間取りにできます。吹き抜けをリビングやダイニング等に設けると、光や風が取り入れられるだけでなく、家全体の開放感を高める効果ももたらされます。
おしゃれな狭小住宅の間取り方法|部屋別に紹介
ここでは、おしゃれな狭小住宅の間取りにするための方法をご紹介します。部屋ごとにまとめてありますので、間取りを考える時の参考にしてみてください。
・リビング
狭小住宅の間取りを考える時は、あえて間仕切壁を無くす手法もおすすめです。例えば、リビングとダイニングやキッチンの間にある壁を取り払い、オープンなスタイルにすると開放感のある空間が作れます。
また、可能ならリビング内に階段を配置すると空間が有効活用できます。このスタイルは階段室を別に設ける必要が無くなるため、全体のスペースを節約することにつながるのです。もし、リビングが狭い場合は、中庭に面した明るい間取りにするのも効果的です。視線を外に誘導すると開放的な印象を与えることができるのです。
・ダイニング
ダイニングとキッチンの間の動線は、できるだけ短くするのがポイントです。料理を運んだり後片付けをしたりする際は、移動距離が短いほど便利です。
また、ダイニングとリビングを一体化させる間取りも、空間を広く使えるのでおすすめです。オープンなレイアウトを採用することにより、家族とコミュニケーションしやすくなります。
・キッチン
キッチンカウンターには、I型、L型、アイランドなど様々な形状がありますが、レイアウトを考慮した上で最適な形状を選ぶと良いでしょう。その際に冷蔵庫、調理スペース、流し台を結ぶ距離が短くなるのがオススメです。
壁面を有効活用することによって、収納スペースが確保するのもポイントで、パントリーなど造作収納を取り入れるという方法もあります。間取り寸法にぴったり合ったサイズでオーダーできるので、狭小住宅におすすめです。
・寝室
ロフトを寝室として利用すれば、面積の広い床が確保できます。ロフトというのは小屋裏部分を活用したスペースで、狭小住宅には広く採用されています。ただし、昇り降りの際ははしごを使う必要があるため、安全性には注意しましょう。
家族が多い場合は子ども部屋に可動式ベッドを取り入れる方法もおすすめです。昼間はベッドを収納しておけるため、スペースを有効に活用することができます。
・収納
壁面の有効活用も狭小住宅では重要です。間取りに造作収納を組み込んでおくことで、後に市販の棚等を置く必要が無くなります。
ガラス扉を取り入れれば、広さを演出することも可能です。ウォークインクローゼットやリビング収納に採用すると、まるでモデルルームのような雰囲気になります。
・階段
階段下の空間はデッドスペースになりがちですが、トイレや収納にすることで有効活用できます。また、リビング階段にするのなら、スケルトン階段がおすすめです。踏み板と骨組みだけのシンプルな構造なので、空間に広がりを感じることができます。スケルトン階段は光や風の通り道としても機能するので、開放感を演出したい時にぴったりです。
まとめ
狭小住宅は狭くて住みにくいイメージがあるかもしれませんが、工夫次第で快適に暮らせる生活空間になります。
また、コンパクトなので外壁やファサード(正面から見た建物の外観)にこだわりやすいのもポイントです。
下記のリンクでニチハ製品を採用した狭小住宅の施工事例を見ることができますので、ぜひチェックしてみてください。
⇒「狭小住宅施工例」
本記事でご紹介したアイデアを参考に、おしゃれな狭小住宅を計画してみてはいかがでしょうか?