2024.12.11
【連載】家の外観を北欧スタイルに!三角屋根と木製サッシがおしゃれで断熱性にも優れた家
家の外観は訪れる人が最初に目にする大事な部分です。特にファサードと呼ばれる建物の正面は家の印象を左右するのでデザイン選びが重要です。
「カベのアイデア事典」では、家の外観をおしゃれに魅せるアイデアを、様々なスタイルとともに紹介していきます。
第5回目は「北欧スタイル」です。寒さが厳しく冬の季節が長い北欧の地域では、住まいの積雪対策や断熱性を高める工夫が欠かせません。そして、その工夫がフォルムや外観に機能美として現れ、北欧スタイル特有の魅力を生み出しています。
今回は北欧の自然環境から生まれたシンプルで機能的、そしてナチュラルであたたかい北欧スタイルを、家の外観に演出するコツと施工事例をご紹介します。
カベのアイデア事典第4回「ナチュラル・ナチュラルモダン」もぜひご確認ください。
⇒「【連載】家の外観をナチュラル・ナチュラルモダンに 木などの自然素材でぬくもりを感じる家づくり |カベのアイデア事典 第4回」
建物の顔ともいえるファサードについての詳細は、下記記事もご参照ください。
⇒「ファサードとは?おしゃれな第一印象を演出する壁のデザイン」
北欧スタイルの特徴
北欧スタイルは、スウェーデン・ノルウェー・デンマーク・フィンランドなど、ヨーロッパ北部の寒冷地域で生まれました。寒さの厳しい北欧の地域では、家のデザインが自然環境と深く関わっています。機能性を追求しながらも、美しさを兼ね備えたスタイルは、住む人にホッとするような心地良さを提供してくれます。
・自然環境と共存する工夫
北欧スタイルの家屋を象徴するのが、大きな三角屋根(切妻屋根)です。積もった雪が自然に地面へと滑り落ちるように勾配が計算されており、軒を深くすることで外壁を雪から守り、住まい全体の耐久性を高める効果も持っています。また、積雪の滑りや水はけをよくする効果があり、勾配の角度が途中から変化する腰折れ屋根も、北欧ではよく見られるスタイルです。日本でも寒冷地の北海道で見られ、牧歌的であたたかい雰囲気を漂わせています。
日照時間が短い北欧では室内に日差しを効率的に取り込む工夫も大切です。窓を大きくとったり、三角屋根から突き出すドーマーという小さな出窓を設けたりすることで、自然光を十分に取り入れて外観にも美しいアクセントを添えています。
・自然との調和を大切にした家づくり
北欧スタイルが持つもう一つの特徴は、木や石といったナチュラルな素材使いや、周囲の自然に溶け込む穏やかな配色です。木板を縦に張ったり、鎧張りにしたりすることで、スッキリしたラインが印象的な外観を生み出しています。こうした機能性とあたたかみが融合した北欧スタイルの家は、日本の風景にも違和感なく溶け込み、多くの人を魅了しています。
北欧スタイルの外観・ファサードをつくるポイント
北欧スタイルの外観・ファサードをつくるには、象徴的な三角屋根に自然と調和するナチュラルな色合いを心がけ、ホワイトやブラウンのサッシを組み合わせるのが基本です。
・自然環境と調和する配色
配色のポイントは周辺環境と調和する優しいホワイトやベージュ、グレーやペールブルーといったアースカラーやくすみカラーを取り入れること。また、家の上下階を違う色にするツートンカラーの配色もおすすめです。例えばホワイト×グレー、ホワイト×ベージュなど、ホワイトをベースにするとすっきりまとめやすく、メリハリのあるおしゃれな外観に仕上がります。
・シンプルな三角屋根
北欧スタイルの家を象徴するものと言えば大きな三角屋根です。さらに、白い幕板(外壁の上下などを仕切る横長の装飾部材)や、破風(屋根の妻側に取り付ける板)を取り入れると、より魅力的な北欧スタイルの外観がつくれます。積雪量が多い地域では、急勾配の三角屋にすることで、雪下ろしの負担が軽減できるでしょう。
・自然光をたっぷり取り込む工夫
室内に自然光をたっぷり取り込む工夫も、北欧スタイルの重要なポイントです。プライバシーが気になる場合は、窓を部屋の高い位置に設置したり、小さめの窓を並べて配置したりしましょう。こうすることで十分な採光を確保しながら、外からの視線を遮ることもできるので、おしゃれな北欧スタイルの外観と、快適な室内環境を両立できます。
・自然の風合いが感じられる外壁材
木目柄のサイディングや石積み・レンガ積みといった、ナチュラルな風合いが感じられる外壁材を取り入れると、周辺の環境と調和して北欧特有のあたたかい外観を演出できます。外壁は同じ素材で統一する方法もありますが、例えば1階部分はホワイトの石積みスタイル、2階部分はグレーの鎧張りで仕上げるなど、上と下の階で異なる素材や色を使い分けると、シンプルな中にさりげなく個性が漂う北欧スタイルが演出できるでしょう。
・断熱性を高める木製サッシ
寒さが厳しい北欧では断熱性に優れた木製サッシが広く普及しています。ホワイトやナチュラルなウッドカラーのサッシを取り入れると、まるで絵本に登場する家のような愛らしい北欧スタイルの外観を演出できます。また、室内から見た時に窓枠が額縁となり、外の景色を絵画のように見せる効果もあります。木製サッシを取り入れると、おしゃれな外観と快適な室内環境の両方が実現し、北欧スタイルの魅力も一層高められるでしょう。
北欧スタイルの住宅の施工事例
あたたかみのある素材感や色使いが魅力的な北欧スタイルの外観を3つの事例で紹介します。
1. グレー×白のコントラストが際立つスタイリッシュな北欧スタイル
1階にホワイトのレンガ柄、2階にはスモークシルバーの木目柄を取り入れた、配色のコントラストが美しい北欧スタイルの家。上下階に異なる素材や色を取り入れることで、シンプルながらも印象的なファサードを演出しています。さらには玄関ドアにナチュラルな木調の素材を取り入れ、家族や訪れる人をあたたかく迎え入れるウェルカムな雰囲気も添えています。
2.断熱性能を高めた個性あふれる北欧スタイル
1階にホワイトの大石柄、2階には鎚目のラフな質感の木目柄を取り入れ、自然な雰囲気の中に力強さと個性が感じられる北欧スタイルの外観に。大屋根と木製サッシを採用して高い断熱性を実現させています。
3. 品格とぬくもりが融合したクラシカルな北欧スタイル
深みのあるチャコールカラーの外壁に、破風・幕板・窓廻りやサッシをホワイトで縁取った住宅。クラシカルで上質な雰囲気の中にあたたかみが感じられ、北欧スタイルらしい居心地の良さが全体に広がっています。
まとめ
カベのアイデア事典 第5回目は「北欧スタイル」をご紹介しました。長く住み続けることになるマイホームだからこそ、外観にもこだわりたいものです。おしゃれな家づくりに興味がある方はぜひ参考にしていただければ幸いです。