2025.06.02

角地に注文住宅を建てるならファサードデザインにこだわろう! メリット・デメリットもご紹介

家づくりにおいて人気の地形である「角地」。マイホームにこだわりたいと考えている方にとって、プランニングの幅が広がる魅力的な立地である一方で、費用やプライバシーといった面でのデメリットについても留意しておく必要があります。

本記事では、角地の特徴やメリット・デメリットについてわかりやすく解説した上で、おしゃれな外観をつくるファサードデザインのコツをご紹介します。理想の家づくりに角地を検討している方はぜひご覧になってみてください。

土地探しに関する詳細は、下記記事をご覧ください。
⇒「土地探しのコツを知りたい! 理想の注文住宅を目指すための探し方と注意点

注文住宅を建てるまでの流れに関する詳細は、下記記事をご覧ください。
⇒「家を建てるまでの流れが知りたい! 年収や頭金はどれぐらい必要? 注文住宅の基礎知識

角地とは? その特徴と魅力

角地は、交差点やT字路など、交差する2本の道路に面している角の土地です。2つの面がオープンなので採光・通風を取り入れやすく開放感のある建物が建てられるので、住宅・商業・オフィスといった様々な建物用途で人気があります。

特に「南東角地」と呼ばれる街区の南東に位置する角地は、日照時間が長く朝から昼にかけて明るい陽射しが差し込むことから最も人気が高いとされています。

角地のメリット

角地

それでは角地のメリットを詳しくみていきましょう。

●日当たり、風通しがよい
角地の環境面のメリットは、2つの道に接しているので、ほかの建物の影響を受けにくく、良好な日当たり・風通しが期待できることです。自然光や通風を取り入れることで開放的で心地よい室内環境をつくれるだけでなく、自然エネルギーを活用した省エネ設計も実現しやすくなります。

●設計の自由度が高い
通常の土地は接する道が1本だけなので、外部とつながる玄関・駐車場・バルコニーなどの位置は制約されます。一方、角地は2本の道に接しているので様々な位置にこれらを設置でき、理想の間取り・動線が計画しやすくなります。家づくりにこだわりたい方にとっては幅広いプランに対応できる魅力的な立地といえるでしょう。

●建築面積を広げられる
通常、敷地面積に対する建物の水平投影面積の割合である「建ぺい率」は、防災上の観点から建築基準法により上限が定められています。基本的には建ぺい率によって各階の最大床面積が制限されてしまいますが、角地は建ぺい率の上限が10%加算され、各階を広くすることができます。

全体の床面積(延べ床面積)は通常の立地と変わりませんが、1フロア当たりの面積を広げられることでさらに幅広いプランニングが可能になるほか、吹き抜けやピロティガレージ※といった床面積に算入されない家づくりの工夫も取り入れやすくなります。

※ピロティガレージ:建物の1階部分を外部空間としてガレージとして使うこと

●資産価値が高い
日当たり・風通しといった環境面のメリットや設計自由度の高さから、角地は人気があり資産価値も高く評価される傾向があります。売却を検討する際に買い手がつきやすく、将来的な資産としても有利な土地といえるでしょう。

角地のデメリット

様々なメリットがある角地ですが、デメリットもあります。メリット・デメリットを正しく理解して理想の家づくりを目指しましょう。

●土地代が高い
「資産価値が高い」というメリットからわかるとおり、角地は高値をつけられる傾向があります。「角地」としての価値相応の価格ではありますが、家づくりのイニシャルコストが高くなることには留意しておきましょう。

●プライバシーの確保が難しい
角地は2面が道に接しているので開放的で心地よい環境ですが、それ故に室内の様子が外から見えやすく、通行人や車からの視線が気になるかもしれません。プライバシーを守るため、植栽や目隠しフェンス、スクリーンなどを活用して適度に視線を遮る工夫を取り入れましょう。

●高さが制限されるケースがある(道路斜線制限)
建物を建築する際は、周辺の日当たりや風通しを確保するため、面する道路との位置関係により高さが制限されます。これを「道路斜線制限」と呼びますが、角地の場合は2つの道路に面していることから2方向で制限が発生します。2方向の高さ制限の計算は複雑ですし、建ぺい率の緩和措置もあるので、事前に専門家に相談して設計条件を把握しておきましょう。建物の位置を道路から後退させることで道路斜線制限が緩和されるといった具体的なアドバイスを受けられるかもしれません。

●隅切りが必要なケースがある
角地は、建築基準法や自治体の条例により、交差点側の敷地の角を道路もしくは空き地にしなければいけないケースがあります。「隅切り」と呼ばれるこのスペースは、交差点を通行しやすくしたり見通しをよくしたりするのが目的です。敷地の一部が自由に使えなくなってしまうので、事前に確認しておきましょう。

角地

東京都国立市における隅切りの概要
引用:国立市「隅切りの設置にご協力ください

角地のファサードデザインのコツ

角地

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/841

角地は道路からよく見えるのでファサードデザインにこだわると印象がアップします。ここでは角地におけるファサードデザインのコツをご紹介します。

●周囲の街並みや前面道路との調和を図る
角地は視認性が高いという利点がある一方、家のデザインや素材によっては周囲の景観から浮いてしまう可能性があります。外壁の色合いや質感を周囲の建物に合わせたり、外構に緑を取り入れて親しみやすさを演出したりすることで、周囲と調和するデザインが実現可能です。

●道路から距離を取ってゆとりを持たせる
建物を道路から少し離して配置することで、圧迫感を和らげ、ゆったりとした印象を与えることができます。さらに、建物全体が見やすくなるため、美しいファサードが際立つ効果も期待できます。角地の場合は、交差点の喧騒が生活空間に入り込みやすいため、あえて道路から距離を置くことで、静かで落ち着いた住環境をつくる工夫も重要です。

●2面のデザインに変化をつける
2つの道路に面している角地の特性を活かし、デザインに変化をつけるのも面白い試みです。それぞれ異なる表情を見せることでアクセントが生まれ、洗練された印象を与えることができるでしょう。それでは、ニチハ製品を採用し、デザインに変化をつけた事例をご紹介します。

角地に建てられた住宅の施工例

角地

https://www.nichiha.co.jp/works/residential/853

3つの箱を組み合わせたようなオーバーハングが印象的なファサードです。建物の凹凸を活かし、イルミオ3色をグラデーションのように調和させています。開口部は整然と整えられ、ウマ張り・イモ張りを適宜使い分け、美しく収まっています。

おわりに

角地は、日当たりと風通しの良さが魅力的な一方で、プライバシーの確保が課題となる側面もあります。これらの特性を十分に理解した上でプランニングに取り組むことで、個性的で快適な住まいを実現できるでしょう。角地でマイホームを検討する際には、ぜひファサードデザインにもこだわり、道行く人が思わず見惚れるようなおしゃれな家づくりを目指してみてください。

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