ニチハサイディングアワード
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2022 -
審査員総評 ESTIMATION
NICHIHA SIDING AWARD 2022 難波 和彦 総評審査委員長難波 和彦建築家・東京大学名誉教授。
1977年(株)一級建築士事務所 難波和彦・界工作舎を設立。
グッドインテリアデザイン賞、新建築吉岡賞、住宅建築賞、JIA環境建築賞、建築学会賞業績賞など多数受賞。代表作に「箱の家」シリーズがあり、MUJIHOUSE(無印良品の家)のシステム開発を含めて、標準化・多様化・サステナビリティをコンセプトに掲げた都市型住宅のプロトタイプとしてデザイン・開発を手がける。NICHIHA SIDING AWARD 2022 飯島 直樹 総評昨年以上の応募数で、毎年のことながら実に多くの建築デザインに向き合った。サイディングは日本中のあらゆる場所、あらゆる施設に使われているので、それらは今の日本の風景といえるかもしれない。それらの風景の中には、たとえばリフォーム賞の「インテリアそやま」のように、1980年代くらいにちょっと頑張って無理してしまった建築のリフォームなどもあり、しばし考えさせられた。一方日本各地には着目すべき案件が多くあり、今年の住宅部門でグランプリの「らめっとM」などは現代の日本の風景のひとつといっていい。賃貸用集合住宅だがその様には見えない。分棟にも見えるが1棟である。住居向けだが在宅ワークにもSOHOにもなる。つまりカテゴリーを除去した先に生まれた新しい何かであり、それが魅力的なデザインを伴った。あるいは非住宅部門でプラチナ賞となった「玉野競輪場再編整備計画」。赤鉛筆片手のオジさんの聖地を汚したくはないが、競輪場を疾走するエンターテイメントとしてスピード感あふれるデザインの宿泊施設やラウンジなどを併設、海岸エリアのリゾートランドスケープの一翼を担うといった応募作もあって、今年の応募状況はおおいに興味深いものだった。サイディングをどう見つめ、受け止めるかという本アワードの意義という点では、「豊田の立体最小限住宅」をエピソードとして取り上げておきたい。尺貫法に設計を同期させ、そこに見合うものとして、即物的なモノ=サイディングをあてがった住宅であり、その計画姿勢にジャン・プルーヴェを想起したからである。
飯島 直樹インテリアデザイナー。
1985年飯島直樹デザイン室を設立。
2004-2014年一般社団法人日本商環境デザイン協会理事長。
2011年-2016年工学院大学建築学部教授。
JCDデザイン賞、APIDA(香港)賞などを多数受賞。5Sニューヨーク、blupondソウル、ほぼ日オフィス、PMOオフィスビルプロジェクト、工学院大学ラーニングコモンズ、STONESなどインテリアから環境全般のデザインまで幅広く活躍。 -
グランプリ GRAND PRIX
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住宅部門
広島県らめっとM
[設計:株式会社古本建築設計様]
[施工:株式会社豊昇様]- 審査員評
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昔ならアパートと蔑称されただろう施設プログラムだ。単純明快な平面プランなのだがそこに組み込まれたバッファーゾーンにより、独立した住戸が連続するような景観を生み出している。内皮(木質)と外皮(黒)が連続するような見立てが美しい。そうした山並みを思わせるありように、外壁のイルミオが貢献している。
- 使用商品
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COOL
イルミオ
イルミオブラック
(マイクロガードなし)
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非住宅部門
群馬県前橋東照宮
[株式会社石井設計様]
- 審査員評
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東照宮本殿保存の大改修にあたり、それを覆い屋に収めるといういわば荒技物件なのだが、覆い屋は歴史的建物収容に違和感なく同期している。先端的デザインに使用例が多い、光沢のある漆黒のミライア(ピアノブラック)が周囲の樹木を映し出し、大きな屋根との相乗効果により、自然と融和する社殿の佇まいを形成している。
- 使用商品
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COOL
ミライア
ピアノブラック
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プラチナ賞 PLATINUM
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住宅部門
東京都青梅の家
[五十嵐冬人建築設計事務所様]
- 審査員評
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緻密に割り付けられたフラットウォール(プリミエMGホワイト)が、その効果を得たマッシブで端正な住宅である。窓サッシもパネル目地に厳密に整合するくらいなのだが、しかし一方インテリアには木構造が白の空間に貫入し、スタティックな外観からは想像のできない流動的な空間が生成する。
- 使用商品
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モエンエクセラード16
グランスペック60フラットウォール
プリミエMGホワイト
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非住宅部門
岡山県玉野競輪場 再編整備計画
[株式会社東畑建築事務所様]
- 審査員評
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競輪ファンには桃源郷のような施設だ。疾走する自転車の疾走感を受け止めるような、横に走るファサードデザインが嬉しい。ユニテ・ダビタシオンのような色彩が潮の香りを呼び寄せそこには泊まれるのだ、さらに嬉しい。メモリアの白とグレーが南仏のような空気を醸し出す。高密度なエンバイラメントデザインである。
- 使用商品
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COOL
メモリア
ホワイトCOOL
メモリア
ブラック
(マイクロガードなし)COOL
メモリア
ライトグレーCOOL
ミライア
ピアノブラック
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ゴールド賞 GOLD
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住宅部門
広島県竹林の家
[YAMANE DESIGN/山根利之+山根あゆみ様]
- 審査員評
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竹林ありきの家。竹特有のさんざめく空気感を背景に、墨のように黒く、シンプル極まりない切妻型の箱が、切れ味よく屹立する。マットな黒のイルミオブラックの特性を、より以上に引き出した秀作と思う。真っ白なインテリアとの対比も美しく、ジャン・プルーヴェの椅子のセレクトは秀逸。
- 使用商品
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COOL
イルミオ
イルミオブラック
(マイクロガードなし)モエンエクセラード16
NOHASシリーズヴィンテージウッド
スキムドMGブラウン
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非住宅部門
鹿児島県株式会社コタベ 鹿児島営業所
[株式会社エムズ・デザイン工房様]
- 審査員評
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このオフィス建築、プレハブだが日照対策から在来工法で庇と袖壁が付加されている。単純明快なグリッド格子は、隣接する倉庫のマッシブな形との組み合わせで彫刻的フォルムとなっていて美しい。同時に周囲の住宅環境への配慮からイルミオのウェーブブラウンを配し、人の気配を感じるファサードとなっている。
- 使用商品
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センターサイディング
プレミアムシリーズNS型 ネオスパン プレミアム
ディープホワイトCOOL
イルミオ
ウェーブブラウンCOOL
メモリア
ブラック
(マイクロガードなし)
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入賞 PRIZE
北海道
緑産株式会社 十勝営業所新築工事
[大和ハウス工業株式会社 横浜支社様]
審査員評
帯広の自然との景観調和を望まれた社屋の設計だったという。天然石の質感の外壁(35mmのモエンアート)、カーボンブラックのキャスティングウッドなどがシンプルに配されていて気持ちいい。しかし何といっても帯広の雄大な空に軒を広げる2段屋根(ギャンブレル屋根)が、この社屋を社屋ならざるものとして飛翔させる。
使用商品
モエンエクセラード16
NOHASシリーズキャスティングウッド
カーボンブラックMGモエンエクセラード16
Fu-geソラニティー
ソラニティーオレンジEモエンアート
レイストーン調AG
ヘイズチャコール宮城県
美和電気工業株式会社 東北支社
[東急建設株式会社 一級建築士事務所様]
審査員評
昔のプライマリーストラクチャーと称された彫刻を思わせる。単純な量塊の、明確で装置的な形態操作。表層の色の操作も明快な分節でマットブラックと木質の表層が合目的的に組み込まれる。電気の会社の社屋として、その表象としてこのデザインを評価したい。建物というよりは企業のメッセージ+VI(ビジュアル・アイデンティティ)として。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-geカルナウッド
グレーシアンレッドMGモエンエクセラード16
Fu-geプレミアムシントア プレミアム
シントアMGネイビー30COOL
メモリア
ブラック
(マイクロガードなし)モエンアート
アーチフォルム
テールオーカー東京都
BELLA PERLA
[アーキデザインスタジオプラス様]
審査員評
上階にオーナーが居住する賃貸共同住宅でS造4階建。外壁の仕上げ材に悩む案件だろう。この建物は、意匠性と耐火性能の高さからサイディングが選ばれた。イルミオの黒と白が端正なフォルムに精度高く用いられ、シンプルながら上質感が得られている。街並みの景観にも貢献するデザインとして評価した。
使用商品
COOL
イルミオ
イルミオブラック
(マイクロガードなし)COOL
イルミオ
グラニットホワイトCOOL
イルミオ
ウェーブブラウン埼玉県
神川町立 丹荘保育所
[株式会社松下設計様]
審査員評
大規模な保育所施設なので大きな箱型になりがちなところを、周辺の山並みのメタファーとして、屋根が連なる群建築として解いた案件である。国産カラマツ材を構造に、数種類のサイディングや大壁工法をコラージュして、外壁も多彩。子ども達のさんざめきが聞こえる様な秀逸な計画であり、周囲の環境にも溶け込んでいる。
使用商品
モエンエクセラード16
NOHASプレミアムキャスティングウッド
プレミアム
ミディアムブラウンMG30モエンエクセラード16
グランスペック60フラットウォール
無塗装品センターサイディング
プレミアムシリーズST型 センターストライプU
プレミアム
ディープホワイト
※ST型センターストライプUプレミアムは生産一時休止品です。モノカラーシリーズ/ST型センターストライプUをご用意しております。千葉県
スノイエ 新松戸
[ポラスガーデンヒルズ株式会社様]
審査員評
旗竿地が並ぶ分譲地のエリア計画。個々の住戸表層の凹凸から、その間に界隈性を生じさせることに成功している。さらに街並みに共同の植栽と門柱を配することによって、心地よい界隈景観を生んでいる。ストリートファニチャーあるいはサインデザインとしても評価したい試みである。
使用商品
モエンエクセラード16
Vシリーズポメロストーン調V
エアルMGアッシュグレーモエンエクセラード16
Vシリーズポメロストーン調V
エアルMGプラチナモエンエクセラード16
Vシリーズリーガストーン調V
ランダMGトリュフモエンエクセラード16
Vシリーズコルモストーン調V
フォンドMGショコラ神奈川県
横浜市鶴見区東寺尾中台No.3
[株式会社三栄建築設計様]
審査員評
この戸建住宅はとてもシンプルだが、細部には相当の力点が置かれている。その細部の扱いによってイルミオの馬目地が効能を発揮し、白い箱のデザインなのに世界観を漂わせる。屋根と壁を分節する見切りボーダーのスリット、軒天外周に回された黒い水切り金物など、まるでインテリアデザインでこだわる様な細部のこだわりだ。
使用商品
モエンサイディング-M14
シンプルライン
レモードMGホワイトCOOL
イルミオ
イルミオホワイトモエン大壁工法
ミーティア仕上げ
福井県
花月の家
[永和住宅株式会社様]
審査員評
端正なデザイン。それが小さな住宅に密度濃く、外部から内部に至るまで、そしてアプローチの踏み石の処理に至るまで行き届く。その端正さの主因は目地のない外壁のフラットさにあり、それを可能にする大壁工法の秀逸な施工例であり、評価した。加えてインテリアデザインも、素材使い、家具セレクト、ともに端正だ。
使用商品
モエン大壁工法
エンシェントブリック仕上げ
軒天5
木目調
ライト和歌山県
介護付有料老人ホーム ブレシングホームやつなみ
[辻岡直樹建築設計事務所株式会社様]
審査員評
サイディングに限らず、現代の建築はほとんどが乾式工法の部材のアッセンブルでできている。部材間の目地は宿命的な要素だろう。この養老院建築はさりげなく放置することの多い目地をグラフィカルな要素に転換し、積極的に「目地建築」とした。サイディングの在りようの拡張事例として選定しておきたい。
使用商品
モエンエクセラード16
グランスペック60フラットウォール
プリミエMGホワイトCOOL
メモリア
ブラック
(マイクロガードなし)兵庫県
N様邸
[株式会社リブライフ RIPARO様]
審査員評
コンパクトながら強い存在感の住宅で、軒天井の効能が大きい。深い木質の軒天井はこの住宅のアイコンだが、それを押しいただくダークグレーの量塊が目地の無い大壁工法であることで、その強さが担保されている。水平と垂直のエレメントの組み込みが巧みに処理されていることにも好感を持った。
使用商品
モエン大壁工法
モアプレーン仕上げ
熊本県
かわたけ保育園
[一級建築士事務所 黄木設計室様]
審査員評
園庭を取り囲むように、深い軒のテラスを設置した保育園。昔の日本家屋の縁側空間のような親和性を評価したい。軒下にえぐられる明るい木質の回廊空間と、建屋外壁のダークグレーとの対比、そしてリズミカルな張り出し屋根の小口白仕上げも、相乗的に保育園の空間として効果を発揮している。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-geプレミアムカルナウッド プレミアム
カーボンブラックMG30モエンエクセラード16
NOHASプレミアムキャスティングウッド
プレミアム
ホワイトキャメルMG30 -
プレミアム賞 PREMIUM
福井県
M様邸
[松栄建設株式会社様]
審査員評
二つの箱が重なった様に構成された外観の住宅。鈍重になりがちなボリュームの建築を、密度の高いディテールの組み合わせで編集されており、中でも主な外壁仕上げ材、微細な凹凸と色味を滲み出すルボンプレミアムの黒がその密度を担保している。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-geプレミアムルボン プレミアム
レセピMGネロ30モエンエクセラード16
Fu-geプレミアムカルナウッド プレミアム
ミディアムブラウンMG30モエンエクセラード16
Fu-geプレミアムスプーモ プレミアム
プリミエMGホワイト30軒天12
木目調
ティンバーブラウン大阪府
アウトドアリビングを満喫する家
[株式会社ユーロプランニング様]
審査員評
外壁に黒を希望する施主が多いようだ。サイディングアワードの近年の傾向である。設計する側は、そこに黒い塊以上の在りようを願望するだろう。形のデザイン、構成上の工夫といろいろあるだろうが、サイディングアワードではその表面のポテンシャルに期するところが大きい。このシントアプレミアムもその一つ。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-geプレミアムシントア プレミアム
シントアMGネイビー30モエンエクセラード16
Fu-geカルナウッド
グレーシアンレッドMG -
審査員特別賞 SPECIAL
群馬県
キャンパーズサルーン(グリーンパークふきわれ内施設)
[吉本工業株式会社様]
[設計:金子設計事務所様 ]
[内装施工:株式会社義板金工業様]審査員評
TV「ひろしのぼっちキャンプ」は高視聴率らしい。そのせいか、こうしたオートキャンプ施設は世間からの隔絶の起点空間としてみてしまう。そこで目に入ったのがこのトイレ。艶のあるミライアの赤。POPな赤。世間隔絶への入り口として、オートキャンプトイレに、おおいに相応しいのではないか。
使用商品
COOL
ミライア
ルージュレッドCOOL
ミライア
ロイヤルブルーモエンアート
テキサスストーン調
スノーサンドモエンエクセラード16
NOHASシリーズコンクリート打ちっ放し16
MGグレーⅡ愛知県
豊田の立体最小限住宅
[川島範久建築設計事務所様]
審査員評
とても即物的な家だ。尺貫法に基づいたプラン(間口2間×奥行7間半)にサイディングはよく似合う。だからサイディング(ライトグレーのメモリア)も即物的に扱われたところが好ましい。無論のこと、外断熱(サイディングとフェノールフォーム)だから内部空間は合板のいわばスケルトンで、これまた即物的で好ましい。
使用商品
COOL
メモリア
ライトグレー福岡県
かやのもり_デザイナーズ_ハウス
[ハヤタホーム一級建築士事務所様]
審査員評
住宅のモデルルームでもあり、サイディング使用にあたってはかなり丹念に材質選定、端部納めが検討されたようだ。単純な矩形の中に住居の様相を多彩に組み込み、その観点がアルミルーバーとサイディングとの接合部などに及んでいる。プレミアムシリーズの表情が全体の空間の表情の中に生かされた事例として選定した。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-geラトワール
ラトワールエスプレッソEモエンエクセラード16
Fu-geプレミアムビストウォール プレミアム
ビストMGチャコール30 -
Fu-ge賞 Fu-ge
兵庫県
Y様邸
[株式会社リブライフ RIPARO様]
審査員評
小さいながらもエントランスポーチがあり、中庭があり、家に入る。それらを一体のものとして住まいがある。何故そんなに贅沢な、と思ってしまうが、ワンちゃんの視野を外部から遮断する理由からだというなんとも贅沢な家。シール目地のないFu-geが遮断するためのファサードとして、しかし優しく迎えてくれる。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-geエコルセ
リベルMGクリアホワイトモエンエクセラード16
Fu-geモベルウッド
モベルダークグレーEモエンエクセラード16
Fu-geルボン
レセピMGネロ広島県
RYO Sta.草津
[株式会社マリモ様]
審査員評
間口21mのファサードに対してエントランスを中央で少しセットバックし、外壁をグレー系のサイディングでグラフィカルに配分。窓の配置や納まりにも留意するデザインで、平板になりがちな木造3階建賃貸集合住宅に独特の表情を持たせた。ディテールが大事ゆえ、シール欠如のFu-geがすこぶる有効化された計画である。
使用商品
モエンエクセラード16
Fu-geシントア
シントアMGホワイトモエンエクセラード16
Fu-geシントア
シントアMGネイビーモエンエクセラード16
Fu-geラトワール
ラトワールプラチナEモエンエクセラード16
Fu-geラトワール
ラトワールシルクE -
リフォーム賞 REFORM
長野県
インテリアそやま
[I.TRUST(アイ・トラスト)様]
審査員評
リフォーム前の建物は70-80年代を思わせる特有のもので、ほとんどガラス張り、さすがに今は使えない状況だったのだろう。外壁は断熱仕様のサイディングが施されたと思われる。チャコール色でストレートな縦張りの無機的なデザインは、今やスタンダードと言える。インテリアショップに合致した事例として評価したい。
使用商品
センターサイディング
プレミアムシリーズM型 スマートフラット
プレミアム
レイキーチャコールモエンエクセラード16
NOHASプレミアムキャスティングウッド
プレミアム
ナチュラルオーカーMG30熊本県
平田町2丁目貸事務所 改築工事
[ブランカアーキテクツ様]
審査員評
内外装ともに完全盛変えのリフォーム。というより新築に近い。計画とデザインも新たな構想によるもので、会社の構想を顔として表現するブランディングに近かったのではないか。オフィスのVI(ビジュアル・アイデンティティ)表現に適合したのがミライアのネイキッドホワイトで、ソリッドな使われ方が美しい。
使用商品
COOL
ミライア
ネイキッドホワイト
2019年度からインターネットによる応募受付を始めているが、そのシステムが定着したこともあって、今年度は昨年度の600点をさらに越える750点以上の応募があったことは喜ばしい結果である。しかしながら、これだけ応募数が増えても、全般的な底上げにはなかなかつながらない点は少々残念である。とはいえ入賞候補として選ばれた上位約50点の作品のレベルは、かなり上昇しているように思われる。今年度は、昨年度のようなサイディングのユニークで特殊な使用法を提案した作品は見られないが、入賞作品全般を通していえることは、いかにもサイディング然とした表層的な使い方は姿を消し、ごくナチュラルな外装仕上げ材として使われている点である。かつての防火外装材としては、モルタル塗りの上にリシン吹付仕上げという湿式工法がもっとも安価で一般的だった。しかしながら最近では、乾式工法であるサイディング張り仕上げが、外装材としてのプロトタイプとしての地歩を徐々に固めつつあるように思われる。グランプリ、プラチナ賞、ゴールド賞を受賞した上位の6作品は、いずれも甲乙をつけ難いハイレベルな作品であり、サイディングの多種多様な使い方を提案している点が興味深い。他方で、リノベーション作品においては、サイディングの表層性がきわめて有効な手法であることも示されている。外装の表面全体を覆うことによって、建築の表情が一変する効果が見られるからである。最後に、審査員として気になる使い方を提案している作品を3点ピックアップしたことを付け加えておきたい。