サイディングという選択肢で中高層建築の可能性が広がった
ニチハ
今回は、プラスター・モエン外壁耐火構造をご採用いただきありがとうございました。
東影
「イルソーレ南駅前」という、5階建て賃貸ワンルームマンションに採用させていただきました。
ニチハ
最寄り駅から徒歩5分ということですが、区分としては商業地域ですか。
イルソーレ南駅前外観
東影
新幹線の高架沿いにある商業地域です。用途が共同住宅で、準防火地域にも区分されていますので、鉄骨造ということでプランが進められました。
ニチハ
鉄骨造だと、当然ALCの選択もお考えになったかと思われます。
1階エントランス。シャルムロックプレミアム マハビMGスモーク30の質感が高級感を演出。
東影
外壁ではALC、サイディングという選択肢があって、当初は、1階ALC、2階から5階はサイディングというプランも考えていました。
設計段階の頃、ニチハさんから鉄骨造1時間耐火構造に加え、柱・梁合成被覆2時間耐火構造認定の取得情報を伺い、それがプラスター・モエン外壁耐火構造採用の転機になりました。
遮音性とデザイン性を両立させた窯業系サイディング
ニチハ
プランを進めていくにあたり、お施主様からはどのようなご要望がありましたか。
東影
新幹線の高架沿いという立地でしたから、騒音・振動を大変気にされていました。
遮音性能の確保を何より求められましたね。竣工後、実地検分してみたのですが、体感レベルで想像以上の遮音効果を実感できました。
髙橋
外観については、スタイリッシュな雰囲気を求められていました。お施主様はお洒落な方ですので、窯業系サイディングの仕上がりにご満足いただけるか心配でしたが、
遮音性、外観デザインともに大変気に入っていただけました。
ニチハ
3つの柄を使ってコーディネートされていますね。
髙橋
設計段階からサンプルをたくさん取り寄せて、同じ柄でも色を変えるなどしてさまざまなバリエーションを試し、入念にコーディネートしていきました。
東影
シックで高級感のあるデザインに仕上がりましたし、実際にお施主様も良い感じだと満足していらっしゃいます。
工期・コスト面でのメリットが大きいのもサイディングの大きな魅力
ニチハ
今回、初めてプラスター・モエン外壁耐火構造を実際に施工されての感想をお聞かせいただけますか。現場での取り組みはスムーズでしたか。
柱・梁合成被覆2時間耐火構造、マキベエ(耐火被覆材)取り付け施工中の様子。
東影
工事監理では、耐火性能を確保するために、仕様書の指示に従うよう徹底させました。
髙橋
耐火条件に関する作業手順・認識の共有だけが問題で、作業自体は特別難しいことはありませんでした。柱・梁合成被覆2時間耐火構造により、
建物全体のサイディングの仕上げが可能となり、納まりも単純化できましたし、工程もスムーズだったと思います。
ニチハ
プラスター・モエン外壁耐火構造を実際に施工されて、現場視点で気づいた点などあれば教えていただけますか。
イルソーレ南駅前外観
東影
「イルソーレ南駅前」では1階をテナントにして設計していますが、内装側にボード施工が不要なため、スケルトン対応のテナントにも有効だということが実感できました。
外壁で言えば、ALCを選んだ場合はALCの施工後にタイル仕上げなどの工程が発生します。プラスター・モエン外壁耐火構造の場合、1度で済むので、
コストや工期の面でメリットが大きいと感じました。
髙橋
今回、できるだけメンテナンスフリーの建材にしてほしいといったご要望もありましたので、ニチハ様の塗膜の変色・褪色30年保証は、お施主様に対して大きなアピールになりました。
東影
例えばタイル貼りだと、10年に1度、外壁の打診調査が必要ですが、サイディングだとその必要がありません。
メンテナンスを含めたライフサイクルコストの面でも魅力があると思います。
外壁メンテナンスの難しい中高層建築でも、プラスター・モエン外壁耐火構造を採用しやすくなるのではと期待しています。
髙橋
窯業系サイディングはセルフクリーニング機能も備えていますので、汚れを気にせず明るい色でも自由に選べます。
高い機能性を備え、デザインバリエーションも豊富なサイディングを採用できるという安心感もあります。
東影
鉄骨造1時間耐火構造に加え、柱・梁合成被覆2時間耐火構造など、鉄骨造の選択肢にサイディングが加わったことで、中高層建築物の設計の幅が広がったのではないでしょうか。