短工期・狭小地の施工を救う 6尺サイディング
ニチハ
今回、玉出駅前のテナントビルにサイディングをご採用いただきました。採用までの経緯をお聞かせいただけますか。
どの角度から見てもスタイリッシュな雰囲気に。
西原
実は、オーナー様は集客効果の予測から建築すべきかどうか4ヶ月ほど悩まれていました。鉄骨造のビルではALCを使用することが通例ではありますが、短工期では間に合わない。そこで、軽量でデザインが豊富、仕上げ塗装が必要のない、工数を減らすことのできるサイディングであればいけると考えました。
急ピッチで2ヶ月で設計を行い、計画が前進しました。サイディングは以前から馴染みがあり、2時間耐火構造に対応しているプラスター・モエン外壁耐火構造は、施工性が良いことも存じていましたので、サイディングが最適であったプランだったと思います。
比嘉
施工において、サイディングは重量が軽いのでクレーンは必要なく、2人で運ぶことができましたし、足場も枠組みタイプのものから、ユニット式に切替えられるなど、工期やコスト面でも良い方向に向かいました。
また、今回は敷地が狭く、隣地との間隔が60cmほどしかなかったのですが、サイディングは薄く、さらに6尺サイズだったので持ち運びがしやすかったです。仕上げの塗装も不要なので工期もかなり短縮でき、ALCと比べときに大きなメリットを感じました。
西原
塗装がないことで骨組みの施工中にデザインを選べる猶予があったのも良かった点です。また、仕上げ塗装はムラができてしまうこともあるので、デザインの担保という意味ではサイディングは非常に優れていると思います。
野口
ALCだと間柱のためのスペース、そして鉄骨が必要になりますが、サイディングだとC形鋼のみで収めることができます。サイディング自体も軽いのですが、構造計算ルート3で検討したことで、鉄骨の重量が減って建物全体が軽量化でき、鉄骨の材料費と運搬代が高騰する中、コストダウンにもつながったと思います。
昼も夜も通行人の目を引くシャープな設計・デザイン
ニチハ
とてもスタイリッシュな外観に仕上がっていると感じます。設計・デザインのコンセプトを伺えますでしょうか。
西原
お客様のご要望は「集客できるような、とにかくかっこよくて目立つビル」ということでした。玉出駅前周辺は人通りも車通りも多いので、まずは高さを出して目立つことを意識しました。隣のビルは11階建てなのですが、本物件は8階建てでありながらそれに並ぶくらいの高さとなっています。
この度の敷地では、上層階での日影規制をクリアーすることに重点がおかれました。建物形状を削りつつ容積をめいっぱい確保し、周囲の建物に負けないボリュームを出すために、階層8階ぎりぎり積み上げ、テナント数の確保と集客効果の向上を図りました。
建築設計高さは30.95mです。31m未満に設定することで建築規制の緩和を図り、工事計画書等の手続きの時間を抑えて、工期短縮にもつなげることができました。
ニチハ
使用いただいているサイディングの選定理由もお聞かせください。
ビルの存在感を高める、黒い外壁に映える小庇(アルフィン(株)様の庇)。
西原
本物件の周辺には10階以上の建物がたくさんありますので、それらに負けない見た目にするということを意識しました。まず、車に乗っている人の目線が上にいくようにしているのがポイントです。
外壁は白をベースに黒、グレーを中心に選定していて、正面から見える左右の斜めの壁面には白いサイディングを、目線が集中する中央部分にはCOOLイルミオのイルミオブラックを使って強調しています。
隣のビルに面する壁面部分は花崗岩のような風合いのCOOLイルミオのグラニットホワイトを使い、壁を約10㎝ほど張り出すようにすることで、建物全体がぐっと引き締まった印象になるようデザインしました。
ほかには、各階層にアルミの小庇をつけています。太陽光で反射するので黒ベースの壁面に映えて、車に乗っている人からは綺麗に見えるんですよ。また、昼だけでなく夜も目立つように小庇の部分にライン照明を取り入れ、昼とはまた違う雰囲気を演出しています。
仕上がりを見たオーナー様が「かっこいい!」と驚かれていたのでよかったです。
サイディングのメリットを活かしてさまざまな提案をしていきたい
ニチハ
サイディングに関しまして、ご意見やご感想をお聞かせください。
重厚感のあるCOOLミライアの鏡面仕上げ。
西原
今回、1階部分にCOOLミライアのピアノブラックを使ったのですが、こういった鏡面仕上げのサイディングはなかなか無いので画期的だと感じました。カーディーラーやホテルにも活用できるすばらしいアイテムだと思います。
ニチハ
ありがとうございます。ご要望などはありますでしょうか。
白でシンプルに仕上げたビル背面。
西原
今後、幅を広めに調節できるサイディングが出てこないかと期待しています。あとは、横張りのみ、縦張りのみ以外に、横と縦を複合できるような自由度の高いものがあればいいなと思いました。
ほかには、サイディングと他外壁の比較データや、構造的にコストダウンできることがわかる資料、階層に応じたデザインの指標がわかるような資料があるといいですね。
提案がしやすくなりますし、お客様もサイディングを使ってみようという気持ちになるのではないかと思います。
ニチハ
ありがとうございます。お客様にサイディングという選択肢を広げていくために、私どももPRしていきたいと思います。本日は貴重なお時間をありがとうございました。